いちごみるくの思い出

私の好きな、いちごの食べ方。
いちごのへたを取って、洗って、砂糖を好きなだけ上からかけます。
あとはスプーンでざくざくつぶして、牛乳をたっぷり入れて、まぜるだけ。
いちごみるくの出来上がり。

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いちごみるくの食べ方を教えてくれたのは、
私が大学生のときにアルバイトしていた、病院のおじいちゃん先生。
蒲田のいわゆる「町医者」で、患者さんもほとんど老人でした。

アルバイトの仕事は、ほとんどは、PCのオペレータのようなもの。あとは事務です。
が、仕事は多岐に・・・渡っていたので それこそレントゲンの現像までやってました(いいのか。)
看護学生でもあるまいに。(看護学校に通っているバイトの子もいましたが)

先生はとっても変わった人で、やたらバイタリティのあるおじいちゃんでした。
お年ははっきり分かりませんが、当時で70超えていたので、今はもう80才近いのでは。
電子カルテがここまで一般的になる前に、自作の電子カルテを、しかも独学で作ろうとしてました。

社交ダンスが好きで、病院でも音楽をかけていました。
油断すると、一緒に踊らされそうになりました。
姿勢が悪いと、怒られました。「背筋をのばすのよ!」と。

先生は、奥様がフランス人で、パリにお家があったのですが、
奥様はフランス、先生は日本で別々に暮らしており、先生の生活場所はほとんど病院。
院内に小さい流しがあり、そこにトースターを設置して、ご飯も食べてました。

バイトの学生にも、よく色々食べさせてくれました。
お気に入りの「ポンパドゥル」のパンを切って焼いて、バターとフランスのジャムを
たっぷりつけたやつとか、誰かからもらったおやつとか・・・
「な?うまいだろ?」って言いながら、どんどん食べさせてくれるのでした。
患者さんいるっちゅうにー、と戸惑う私たちのことなど、おかまいなく・・・。

蒲田で安く肉や魚を買ったときには、よく切り分けてもって帰らせてくれました。
(先生、これはいらんわ・・・と思ったことも何度かある)

いちごみるくも、春になると必ず、食べさせてくれました。
「砂糖はたくさんかけるんだぞ!」って言いながら、いちごをぽいぽい、カップに入れてくれて。

ほんっとに変わった人で、お金はあるだろうのに、いつもぼろぼろの服着てました。
そんでも、ダンス好きなあまりに、ウィーンのダンスパーティー
(ものすごい人しか、行けないような正式なヤツ)に行ってしまったり、
突如1週間休みを取って山登りに行ったりもするし、、
タバコはめちゃくちゃ吸うのに、なんであんなに元気だったのか不思議でした。

途中、先生のあまりの変人ぶりについていけず、辞めようと思ったこともありました。
バイトの誰もが通る道だったようです。
でも、結局4年間続けました。周りの子もほとんど、そうでした。
先生って変だよね!とか文句言いながらも、憎めないのと時給がいいのと(笑)
不思議なバイトでした。

先生は、かなり私をかわいがってくれてたようでした。
思い返せば、本当に、お世話になってました。現物支給もたくさんしてくれたし、
ご飯もたまに食べさせてくれたし、、病院の近所の中華料理屋で、よく定食を半分こして食べました。


大学を卒業するとき、最後の休みにヨーロッパに旅行に行きたくて、でもお金がなくて
そのときにぽんっとお金を貸してくれたのも、この先生。
就職した後、何年もかかって返したのですが、文句一つ言わずに待っててくれました。

この先生、今は北海道の先端、利尻島の診療所で院長をやっています。
私の知らない間に利尻に行っちゃってて、本当にびっくりしましたが、
ぽーんとあんなところに行ってしまうのが、先生らしい。
蒲田で何十年もやった病院をあっさりたたんでしまいました。

この前、蒲田でお気に入りのベトナム料理を食べに行ったとき、
ふと、病院があった場所を見たら、なんと焼肉屋になっていました。

こともあろうに・・・焼肉屋。
病院だったときの状態を知り尽くしているので、一体どうやって飲食店にしたのか
不思議でなりません。
特に現像室なんて、薄暗くて怖かったーっ。
その焼肉屋に行く気にはなれませんでしたが、先生は、知ってるのかなあ。

いちごみるくを食べながら、先生元気かな、と
ふと思い出すのでした。
手紙でも、書くかな。
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by ekla-cafe | 2005-04-14 22:55 | log


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