夭折の詩人、久坂葉子のこと。
最近、詩集をよく読むようになりました。
長いものより、短い詩が好きです。
一つ一つのことばに込められた意味。音。
以前読んだ時はさっぱり意味がわからなかったのに、
今は分かりすぎるほど分かる、とか
そんなこともよくあります。
詩を読むきっかけになったのかもしれません、
とにかく衝撃を受けたのは、「久坂葉子詩集」。
久坂葉子、昭和6年生まれ。
18歳で発表した作品が芥川賞候補になるほどの才能を持ちながら
21歳という若さで、自分でその命を終わらせてしまった人です。
「久坂葉子詩集」には、あまりにも素晴らしい詩が多すぎました。
詩集を読んで、ピンと来るのが2つ3つあるくらいが普通かな
なんて思っていたんですが
ほとんどの作品が、私の胸、というか魂を激しく打ちました。
それはもうクラクラするほど。
その中でも特に好きなのがこの作品。
彼女を知るきっかけにもなった詩です。
Arne⑤で、COW BOOKSの松浦弥太郎さんが紹介されていました。
こんな世界に私は住みたい
こんな世界に私は住みたい
肩書きもいらず勲章もなく
人はそれぞれはだかのままの心でもって
礼節だけはわきまえて
男も女も仕事をし
男も女も恋をして
ひとりひとりの幸福を
ひとりひとりのねぎごとを
心にそっと小さくもって
一生かかって、みずからのためしつくす
こんな世界に私はすみたい
1949年6月18日
りんご
りんごをかじりながらさむいみちをあるいた。
ゆうひがまっかになってしずむ。
きょうもいちにち、
のぞみももたず、ちからもわかず、
ただ、さみしさでいっぱいになって、
なにがそんなにさみしいのかわからぬままに。
まちかどにひがついた。
あたらしいとしがもうやってくるというのに。
あすさえもおそろしい。
-さみしさはますだろう-
-くるしさにたえることができよう-
わたしのこころに、
「あすこそは」というかんじょうがわいてくれたら、
-わたしはうれしいが-
りんごのたねはくろくひかっていた。
はあとのついたしんを、
おもいっきりとおくへなげた。
1947年12月30日
長いものより、短い詩が好きです。
一つ一つのことばに込められた意味。音。
以前読んだ時はさっぱり意味がわからなかったのに、
今は分かりすぎるほど分かる、とか
そんなこともよくあります。
詩を読むきっかけになったのかもしれません、
とにかく衝撃を受けたのは、「久坂葉子詩集」。
久坂葉子、昭和6年生まれ。
18歳で発表した作品が芥川賞候補になるほどの才能を持ちながら
21歳という若さで、自分でその命を終わらせてしまった人です。
「久坂葉子詩集」には、あまりにも素晴らしい詩が多すぎました。
詩集を読んで、ピンと来るのが2つ3つあるくらいが普通かな
なんて思っていたんですが
ほとんどの作品が、私の胸、というか魂を激しく打ちました。
それはもうクラクラするほど。
その中でも特に好きなのがこの作品。
彼女を知るきっかけにもなった詩です。
Arne⑤で、COW BOOKSの松浦弥太郎さんが紹介されていました。
こんな世界に私は住みたい
こんな世界に私は住みたい
肩書きもいらず勲章もなく
人はそれぞれはだかのままの心でもって
礼節だけはわきまえて
男も女も仕事をし
男も女も恋をして
ひとりひとりの幸福を
ひとりひとりのねぎごとを
心にそっと小さくもって
一生かかって、みずからのためしつくす
こんな世界に私はすみたい
1949年6月18日
りんご
りんごをかじりながらさむいみちをあるいた。
ゆうひがまっかになってしずむ。
きょうもいちにち、
のぞみももたず、ちからもわかず、
ただ、さみしさでいっぱいになって、
なにがそんなにさみしいのかわからぬままに。
まちかどにひがついた。
あたらしいとしがもうやってくるというのに。
あすさえもおそろしい。
-さみしさはますだろう-
-くるしさにたえることができよう-
わたしのこころに、
「あすこそは」というかんじょうがわいてくれたら、
-わたしはうれしいが-
りんごのたねはくろくひかっていた。
はあとのついたしんを、
おもいっきりとおくへなげた。
1947年12月30日
by ekla-cafe
| 2006-02-02 19:56
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Comments(6)
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by
ぼんぼ
at 2006-02-02 21:14
x
こんばんは。
>ただ、さみしさでいっぱいになって、
>なにがそんなにさみしいのかわからぬままに
ありますね〜。こんなん思うこと。
さみしいなんて思たことなかったのに、
去年やったかな?あったんですよ。
りんごは種まで食べ尽します。残るのは軸だけ(笑)
種って結構アンニンドーフみたいな味なんですよ。
猿は真っ二つに割って種から食べるそうです。
>ただ、さみしさでいっぱいになって、
>なにがそんなにさみしいのかわからぬままに
ありますね〜。こんなん思うこと。
さみしいなんて思たことなかったのに、
去年やったかな?あったんですよ。
りんごは種まで食べ尽します。残るのは軸だけ(笑)
種って結構アンニンドーフみたいな味なんですよ。
猿は真っ二つに割って種から食べるそうです。
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by
macky_work at 2006-02-03 00:31
ふふふ。だからだったのねーー、ってひとり納得♪
私eklaさんの文章が大好きで、とても詩的だなーって思っていたんだ
けれど、やっぱり詩がお好きでしたか。
なんていうか、素直でやさしくて。
その感性、私にも分けてください(←かなりマジ!)
私は昔はベタベタのスポーツ記者志望だったので、読むものといえば
未だに新聞とビジネス書関連だったりして…。
文芸ものはミーハーで、ハリポタでしたしね☆
私eklaさんの文章が大好きで、とても詩的だなーって思っていたんだ
けれど、やっぱり詩がお好きでしたか。
なんていうか、素直でやさしくて。
その感性、私にも分けてください(←かなりマジ!)
私は昔はベタベタのスポーツ記者志望だったので、読むものといえば
未だに新聞とビジネス書関連だったりして…。
文芸ものはミーハーで、ハリポタでしたしね☆
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ekla-cafe at 2006-02-05 21:42
☆ぼんぼさん
環境の変化のせいでしょうか・・・。そう思うことたまにあります。
久坂葉子は16歳でこの「りんご」を書いたそうです。
りんご、種まで食べちゃうんですか!?
お味は杏仁豆腐みたいなんですねぇ。
こんど食べてみようかなあ~。
環境の変化のせいでしょうか・・・。そう思うことたまにあります。
久坂葉子は16歳でこの「りんご」を書いたそうです。
りんご、種まで食べちゃうんですか!?
お味は杏仁豆腐みたいなんですねぇ。
こんど食べてみようかなあ~。
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by
ekla-cafe at 2006-02-05 21:51
☆mackyさん
ええっ!そそそんな!嬉しいです。
mackyさんはスポーツ記者志望だったんですね。
テンポ良くて分かりやすくて、ドキドキが伝わる文章なのが
分かる気がしました!!
スポーツは・・・やっぱりF1ですか? ^^
ハリポタは、流行になんか乗らないぜ~と思っていたくせに、
読んだらはまりましたよ。まんまと。
でも最近の数冊分は読んでないなあ。
ええっ!そそそんな!嬉しいです。
mackyさんはスポーツ記者志望だったんですね。
テンポ良くて分かりやすくて、ドキドキが伝わる文章なのが
分かる気がしました!!
スポーツは・・・やっぱりF1ですか? ^^
ハリポタは、流行になんか乗らないぜ~と思っていたくせに、
読んだらはまりましたよ。まんまと。
でも最近の数冊分は読んでないなあ。
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at 2006-02-23 09:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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ekla-cafe at 2006-02-23 18:02
☆鍵コメさん
コメントありがとうございます♪
ぜひぜひ探して読んでみてくださいね。
先日行った南青山のカウブックスにも
この本ではないですが、久坂葉子の本がありました。
ほしー!と思ったけど高かったー・・・。
コメントありがとうございます♪
ぜひぜひ探して読んでみてくださいね。
先日行った南青山のカウブックスにも
この本ではないですが、久坂葉子の本がありました。
ほしー!と思ったけど高かったー・・・。
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by ekla-cafe