夭折の詩人、久坂葉子のこと。

c0026178_19594989.jpg最近、詩集をよく読むようになりました。
長いものより、短い詩が好きです。
一つ一つのことばに込められた意味。音。
以前読んだ時はさっぱり意味がわからなかったのに、
今は分かりすぎるほど分かる、とか
そんなこともよくあります。

詩を読むきっかけになったのかもしれません、
とにかく衝撃を受けたのは、「久坂葉子詩集」。

久坂葉子、昭和6年生まれ。
18歳で発表した作品が芥川賞候補になるほどの才能を持ちながら
21歳という若さで、自分でその命を終わらせてしまった人です。

「久坂葉子詩集」には、あまりにも素晴らしい詩が多すぎました。
詩集を読んで、ピンと来るのが2つ3つあるくらいが普通かな
なんて思っていたんですが
ほとんどの作品が、私の胸、というか魂を激しく打ちました。
それはもうクラクラするほど。

その中でも特に好きなのがこの作品。
彼女を知るきっかけにもなった詩です。
Arne⑤で、COW BOOKSの松浦弥太郎さんが紹介されていました。






こんな世界に私は住みたい

こんな世界に私は住みたい
肩書きもいらず勲章もなく
人はそれぞれはだかのままの心でもって
礼節だけはわきまえて
男も女も仕事をし
男も女も恋をして
ひとりひとりの幸福を
ひとりひとりのねぎごとを
心にそっと小さくもって
一生かかって、みずからのためしつくす
こんな世界に私はすみたい

1949年6月18日



りんご

りんごをかじりながらさむいみちをあるいた。
ゆうひがまっかになってしずむ。
きょうもいちにち、
のぞみももたず、ちからもわかず、
ただ、さみしさでいっぱいになって、
なにがそんなにさみしいのかわからぬままに。
まちかどにひがついた。
あたらしいとしがもうやってくるというのに。
あすさえもおそろしい。
-さみしさはますだろう-
-くるしさにたえることができよう-
わたしのこころに、
「あすこそは」というかんじょうがわいてくれたら、
-わたしはうれしいが-
りんごのたねはくろくひかっていた。
はあとのついたしんを、
おもいっきりとおくへなげた。

1947年12月30日


 

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by ekla-cafe | 2006-02-02 19:56 | log


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